憧れがつなぐ甲南女子の絆

中高一貫校の女子校だからこそ気になるのが、先輩と後輩の関係性。学校生活での関わりは?行事や部活動の上下関係はぶっちゃけどう?そんな疑問にリアルに答える、先輩と後輩の対談コーナー「お話の部屋」。第1回は共に和光会(生徒会)に所属する生徒2人の関係を探ります。

秋田希美さん(高校2年生)/ 伊原未羽さん(中学1年生)
※インタビュー当時の在籍学年です。

先輩が後輩を見守るのが甲南女子のスタイル

秋田さん 伊原さんと仲良くなったのって、4月の文化祭だったよね。それから年級委員(新中学1年生のお世話をする和光会役員)として自治会長(学級委員長)だった伊原さんのサポートをしてきて、気がつけばもうすぐ1年か。あっという間だったねー。

伊原さん そうですよね!1年って早いなって実感しています。入学してまだ右も左もわからない私に親身になっていろいろと教えてくださって本当に頼りになりました。入学して驚いたんですけど、甲南女子って中学1年生の朝のショートホームルームを年級委員さんが企画して運営されるじゃないですか。それで、自治会長が司会進行する。はじめは緊張したし、どんな風にクラスのみんなに話をしようか?どうすればクラスがまとまるか?不安でいっぱいだったけど、わからないことがあったり少しでも困っていると秋田さんがすぐに駆け寄ってきて助けてくれる。失敗しても大丈夫だって思えたからこそ、少しずつ自治会長として自信を持って活動できるようになれたんだと思います!

秋田さん 伊原さんははじめからしっかりしていたよ?第一印象から、まじめでしっかりしている子だな~って思ってた。実際、中学生になってはじめてのことが多かった1年だと思うけど、ショートホームルームはもちろん、文化祭や他の学校行事も自治会長としてちゃんとクラスをまとめていたし。仲良くなってからは、まじめなだけじゃなくて案外人懐っこいんだなって思うようになったけど。

伊原さん はじめは緊張してましたもん。でも、自分でもメリハリがある方だとは思います。やらなきゃってときはもちろんまじめに取り組むんですけど、遊ぶときは全力みたいな。秋田さんは出会ったときから変わりませんよね。いつも明るくて、優しくて。それでいてきちんと全体に目を配っていて、私に限らず困っている子がいたらそっと手を差し伸べてくれる。秋田さんがいると自然とまわりの人たちも笑顔になっている。そんな姿をずっと見てきて、素敵だな~っていつも思ってました。

秋田さん ありがとう!嬉しいな。あ、しっかりしてたって言ったけど、コーラスコンクールのときは大変だったよね。

伊原さん あの時はちょっと自信をなくしかけましたね(苦笑)自治会長だったのはもちろんピアノ伴奏も担当していたので、なんとかクラス全員で一致団結して頑張りたい!って思いが強かったんですけど、なかなか上手くまとまらなくて。ショートホームルームで練習してたときに辛くなって思わず泣いてしまって。でも、秋田さんがすぐになぐさめてくれて、一緒に練習の進め方を考えてくださったので助かりました。最終的にはクラス一丸となってコンクールに挑むことができたので、ほっとしたのをいまでも覚えています。

高校生になったらもっと大変!?

伊原さん 学校生活にも慣れてきて、少し先の未来も考えられるようになってきて。最近想像するのは、これからの自分です。もっと勉強は大変になるのかな?きちんと部活動と両立できるかな?友達との関係はどうなっていくんだろう?って、少し心配になったりもします。

秋田さん 伊原さんなら大丈夫だよ!でも、確かに高校生になると中学生の頃とはちょっと考え方も変わるかな。甲南女子は中高一貫校だけど、やっぱり高校生は義務教育じゃないし自分で考えて決めないといけないことも増えてくる。和光会の役職や責任も大きくなるし、将来のことも考えないといけない。高校1年になってすぐ進路ガイダンスがあるから、そこで意識が変わるかもね。私も今年はいよいよ受験生だからがんばらないと。

伊原さん 余計に不安になってきました。なにかアドバイスして欲しいです。

秋田さん 高校生よりも前に、私自身いちばん大変だったのは中学2年生のときかな。はじめてのクラス替えもあるし、中学校に入って1年間でみんなそれなりに学校に慣れてきているから我も出てくる。和光会でクラスや学年の代表として活動していると、反対意見や悪口が聞こえてくることだってある。けど、あまり気にしすぎない方がいいと思う。全員が同じ意見になるなんてことはないし、そこで相手と対立してしまうと無意味な喧嘩に発展しかねないから。大切なのは意見をちゃんと聞いたうえでどうやって全体をまとめていくか。まさに総合学習でやる「尊重と対話」の実践版だね。

伊原さん 大変そうだけど、いまよりもっと成長できそうですね。頑張りたいです!

先輩の、その先へ。

伊原さん まだ先ですけど、高校生になったら和光会で年級委員にチャレンジしたいと思っています。秋田さんの姿を入学から1年間ずっと見てきて憧れていたんです。もちろん、まだまだできないことも多いし頼りないところだってあると自分でも思います。けど、日々の学校生活で話し方や行動を少しずつ見直しながら、もっと広い視野で友達一人ひとりに寄り添えるようになりたい。そして自分に後輩ができた時、秋田さんのように憧れられる先輩でありたいと思います。

秋田さん 私はいよいよ高校3年生になるから、まずは進路をしっかりと固めて受験勉強を頑張りたいな。もちろん和光会の活動も続けたい。もともと人前で話すのが苦手だった私が自信を持って話せるようになったのは年級委員の経験が大きかったし、違う意見や考え方を尊重したうえでみんなをまとめる力もついたと思うから。お互い次の1年もがんばろうね。